「しあわせのパン」を観て
ー 大泉洋さんと原田知世さんが夫婦役でパン屋兼ホテルのようなお店を経営している、北海道月浦が舞台の物語
社会の中で働いていると、色々な形のストレスが押し寄せてくる。
特に発展した都市での暮らしは田舎のゆるやかな暮らしと比較するととても競争的で、心を摩耗させてしまう。
造られた笑顔、飾られた言葉を表に出すうちに、少しじつ心の弾力を失っていく。
そうして気付けば、自然に笑えなくなっている。
無理して笑わないと、笑顔にもなれない。
心が鎖で縛られてしまったように凝り固まって、何をしても動かない。
無色無臭無味の世界に変貌してしまう。
歳を重ねると愛する人との別れも経験する。すこしずつ心の歯車が軋み、ずれて、合わなくなってくる。
ぎぃぎぃと音を変な音を立て始めて、気付けばそれが心の嘆きだと知る。
私のような、勁さをまだ獲得していない人はそのように感じることが過去にあったかもしれないし現在進行形であるかもしれない。
そんな人に、是非観て欲しい。
そうして私たちは、生きていればいくらでも変わっていけるのだと感じて欲しい。
自分たちの信じる何かを、心を込めて為していけば、きっと優しくなれるということを感じて欲しい。
今心の弾力がなくなっていると感じるなら、早く、逃げてしまえばいい。
心と体が完全に死んでしまうより、1000倍マシだから。
そうして、自分自身と向き合って、幸せを素直に享受して生きていけばそれで100点満点だよ。