Garden of Lapis Lazuli

刹那的生命の備忘録

2019-07-01から1ヶ月間の記事一覧

河のそばのホテル

私は身体を売っている。 場所は河のそばにあるラブホテル。 その五階にある、河を望める部屋の一室で暮らしてる。 色々なコネを使って住まわせて貰っている。家賃は売り上げの60%。 半分以上が消えてしまうけれど、エアコンは使い放題だしお風呂や服にも困ら…

夏の訪れと紫陽花

今週のお題「夏休み」(無いけど) 急に暑さが到来した。 強い日の光を浴びてさらには体の奥から熱が溢れ出てきて、身を焼く。 たまのような汗が肌を覆う。 自転車で山を登れば、滴り落ちる汗が滝のようになるのではないだろうか。 ただでさえ暑いのに、蝉時雨…

「場」を作ってみようと思う Ⅰ

先日O氏と話している中で、こういう話があった。 「図書館は静かであってはならない。語り合う場所でなくてはならない。」 常識的に図書館では沈黙が要求される。誰かの集中を乱すことは良くないことだ、と。これは確かに一理あるだろう。私はHSPの気がある…

友と語れば Ⅰ

私は、人に不足しているものに「対話」があると思う.人それぞれで言葉の幅やニュアンスが異なるにも関わらず、それを補完せずに話を進める先延ばしにすることで生じる溝を放置する傾向が高い。気付いたときには取り返しのつかない程、溝が大きくなっている. …

好きな作家 I 【 綾崎隼 】

サイン会というものに、そこまで深い意味を見いだせていない。 前からそうであるし、今もそこまで。 特に作家が産み出すものは、物語や言葉であって作家個人の肉体、身体的な特徴に惹かれているわけではない。 アイドルや俳優、モデルという職業は自らの身体…

恐らく人生最後の入試の為夏休みはありませぬ

今週のお題「夏休み」 もう世間は夏休みに入っているらしい。 私は人生最後の入試(にしたい)大学院入試に向けた最終調整のため、全く夏休みがない。散髪に行くくらいだろうか。少なくとも、8月一杯は学問の密林を掻き分け進むことになる。 生物系から機械…

結婚二年

結婚して二年。 月曜日の昼間に夫婦が両方家にいる家庭は少ないだろう。 そう思いながら黒い革のソファに寄りかかって、手に持った小説のページを進める。 目の前にあるテーブルの上で、先程淹れた珈琲から白い湯気が上がっている。少しずつ空間に香りが立ち…

蜩と約束

梅雨も終盤 少しずつ、夏の終わりが近付いてくる 季節毎に終わりを予感させるものが存在するが、私にとって幼い頃から夏の終わりを予感させるものは、蜩の声だった。 蝉は地上に出てからの生は地中での生と比べて非常に短い。 我々人間が母体から産まれて死…

空に沈む

道路に出来た水溜まりに映る自分の顔をみた。 そうしていると、彼がこう言った。 「こっちに来なよ」 そうして、向こう側から手を伸ばす。 こっちとあっちの境界、水面に彼の手が触れる。 ずぶずぶと、一気に沈んでいく。 身体がすっぽりあっちに入って、空…

魂の質量と楽しい終活

今週のお題「空の写真」人は死ぬと、空に飛んでいくらしい。 肉体を捨てて、魂という名前だったり霊魂という名前だったり、色々な呼び名がある非物質的存在になり浮遊するというのだ。過去には「魂の質量」の計測をしたと発表した人間がいた。米国のダンカン…

透明標本を観て

昨日、透明標本の展示会(@仙台)があるとのことで興味津々で参戦した。過去に何度か透明標本自体は観たことがあったが、一度にあんなに沢山は観たことが無かったし、標本の用途によってもqualityが段違いという事が分かった。私が今まで観ていたのは、研究用…

「アオ」にまつわる推薦書

空のあお海のあお花のあお絵の具のあお瞳のあお 世の中には「あお」が所々存在する「あお」(Blue)という漢字は一つではなく複数存在する 青・蒼・藍・碧... それぞれの言葉が持つ色としての「あお」には僅かにでも差異が存在している皆さんはどんなイメー…

空の写真がお題らしいので

今週のお題「空の写真」 空を見上げることが好きだ 基本的に散歩が好きな傾向ではあるけれど、よく上を向いたり周囲を見渡しながら歩いているから、はたからみると不審感がでている可能性は否めない。 しかし、周りの景色は日々変化している。 花も草も、街…

将来の夢は宇宙で...

私には将来の夢など無かった。 幼稚園の頃はあっただろうが、所詮周囲の同調圧力により形成された疑似的な夢に過ぎなかった(ちなみにそれはサッカー選手)。 歳を重ねるにつれて、確かに憧れた職業はあった。 しかし、正確に言えばテレビで特集されたりドラ…

水族館に行きたい + 理想の最期

人生で幾つかの水族館に行ったことがあるが、どこもとても素敵で(人が少なければ)落ち着ける。 色鮮やかな熱帯魚、大きい南米の川魚、深海の掃除屋、海に漂う月。 ゆったりと泳いでいる姿をみていると、時間を忘れる。 暗く視界が狭い状況と、それとは対照…

夢を諦めようとしている人へ向けて推薦漫画作品

夢を追うことを諦められず、けれど全てを犠牲にして進む勇気もない人は多い私だって、結局自分の好きなことをして生きていきたいけれど、なりたいものと向いているものは違う。根本的に。 これはどうしようもないことで、練習や修行、鍛練をすることで多少な…

初恋はよく聞くのに初愛は聞かない

よくある問いだが、 「恋と愛の違いとは、何か?」 このような問いが生じるということは、本質的に人間は恋と愛の間に差異を感じている、もしくは感じたいということなのだろう。 よく聞く説で漢字の心がある位置(中か下か)で違いを表現することがある。こ…

仙台散歩 I

仙台の街を歩いていると、意外にも路傍に咲く花が多い・。花が好きな私からすれば嬉しい限りだ。さて、何故花は美しいのか美とは何に宿るのかは私の中の探求しているテーマの1つであるが 花の美とは何かを考えてみた。花は植物であり、種から成長し地を這う…

「しあわせのパン」を観て

ー 大泉洋さんと原田知世さんが夫婦役でパン屋兼ホテルのようなお店を経営している、北海道月浦が舞台の物語 社会の中で働いていると、色々な形のストレスが押し寄せてくる。 特に発展した都市での暮らしは田舎のゆるやかな暮らしと比較するととても競争的で…

海を眺めてみる

今週のお題「海」 海 光の粒が一面に広がり、ざぁ、ざぁ、と音を立てている 潮の香りが鼻に抜けて、足の裏に吸い付く砂粒の細かいことが嬉しい 砂浜に開いているちいさな穴から蟹が這い出てきて、横方向に歩いているのが可愛い 目には見えていないけれど、目…

規定テーマ「私の好きな歌」について書いてみた

今週のお題「わたしの好きな歌」このブログでは、週一で異なったお題を投げてくる(書くか書かないかは自由)。 たまたま今日、それを書こうと思った。上にも記したが、今週のテーマは好きな歌についてらしい。皆様はどのような歌が好きだろうか。 今時なJ-POP…

昨日はどうにもやる気が起きなかった

朝からどうにもやる気が出ないなんて日は、誰しもあるのではないのだろうか。しなければならないことも少なくないのに、どうしても心が動かない.そして身体も動かない.こういう日に無理しても仕方がない.私は昨日、少し無理して身体と脳を動かしたが、結局巧…

夏の光

昨日、山を登っている途中で蛍をみかけた。朝方だったので、光ってはいなかった。 最近では、蛍が舞っている姿を見たことがない人も沢山いるようである。 私が育った土地は田舎で、夏になると蛍が家の庭まで飛んでくることもあった。 小川や用水路のあるとこ…

何かを、愛した人となら

研究という事をしていると敏感になるのだが、実生活の会話の多くで聴く主張が意見しか言っていない事に辟易する。「◯◯をしたいのです。」と夢を語る事はいいし、持っていることは素敵なことだし、周囲に人達の夢は積極的に応援したくなる。 しかし、その夢を…

夢と執着、そしていり交じる一匙の恋

多くの人は、子供の頃に壮大な夢を持っていただろう。 空を飛びたいというファンタジーなものからプロサッカー選手やパイロットなど。 しかし年を重ねていくうちに、自分には到底不可能なことだと諦めて日々を過ごすようになる。過去の自分と同じ夢を持って…

泥の中で夢をみる

「霧の中に散る」より ----------------------------------------------------------------------------- どこまで歩いても、終わらない、夜の路。 路傍に咲く紫陽花からは艶やかな香りがして、花弁に付いた水滴には街灯の光が淡く溶けていった。 道路を走っ…

霧の中に散る

「 霧の中に咲く 」より ------------------------------------------------------------------------- 私達は再び、歩き出した。 命というものの多様性と古代から連綿と受け継がれる遺伝子の展示から離れて、時空を超える旅へと向かった。 そこは古書の街だ…

霧の中に咲く

紫陽花をみると想い出すあの人(以下A:前記事参照のこと)。 Aとの想い出は甘く、苦いものだった。 ------------------------------------------------------------------------- 夏の暑い日、私達はとある公園の中にある、多くの蓮の葉が広がる池の周りを…

季節と、その死。そして、あの人

季節が変わる節目には世界の匂いが変わる。毎日変化はしているのだが、顕著になるのが季節の変わり目だ。 そして、その匂いには色がある。 匂いも色も、とても儚げで美しい。季節が死に新たに産まれる期間、おそらく漂っていたのは季節の死臭だ。季節が死ぬ…

万物は流転するようなので

ギリシアの自然哲学者ヘラクレイトスは「万物流転 (panta rhei)」を提唱した。 これは世の真理の1つだろう。 生物学を学んでいると、それを強く感じる。 時間は移ろう。そんな中で、全く同一の状態で時間軸方向に存在することは不可能に近い。これは非常にミ…