科学の路を志して私は....
科学
その世界に、私はワクワクを感じた
先に見える可能性の世界に、光り輝くようなものをみた
はずだった
少しずつ、色々な事を学んでいくと、その世界の広大さ、深さに言葉を失った
先人たちが積み上げてきたもの、その高さ、膨大さに溺れてしまった
先が、全く見えない
夜空を見上げた先に広がる、闇のようで
底の無い海へ、永遠に沈んでいくようで
先に進めば進むほどに、強い重力に身体が軋み
何処からともなく矢が飛んでくるような
まるで、異星の戦場なのだ
そこで戦う者は皆、同じ闇に沈んでいく覚悟を持っているのかと、驚愕した
それぞれでみえている世界は違えども、厳しい世界であることに変わりはない
常に世界との競争で、休まる隙がない
昨日まで同じところにいたはずの友が、次の日には数キロ先を行っている可能性がある
何百時間、何百万とかけて行った研究が水泡と帰す事もあるのだ
過去の巨人たち、そして今戦っている者たち
私はただただ圧倒されるばかりで、太刀打ち出来る気がしなかった
科学の世界は、過去に見えていた世界とはまるで違う
地獄だった