Garden of Lapis Lazuli

刹那的生命の備忘録

絵本を世界の大人へ

子供の頃は、あまり本を読まなかった。

それこそ、絵本もそこまで読んだことが無い子供だった。

少ない記憶の中で覚えているのは、しまじろうやどらえもんのようなテレビでもやっているようなもので、独自なものなどほぼ全く記憶がない。

動物たちが協力して何か料理をする物語の絵本を3度ほど読んだことがある気がするのだが、何を作っていたかの記憶が曖昧だ。

皆さんは覚えているだろうか。

むしろ子供のよりも今の方が絵本を読んでいるのではないかと思う。

そのようなコミュニティに参加しているという事もあるが、絵本の物語を解釈する能力を多少なりとも獲得した為により楽しめるようになった事が大きい。

例えば、「100万回生きたねこ」を私は幼少期に読んだことが無かった。大学生の頃にブックカフェで偶々読んだのだが、おそらく幼い時分に読んでもあの物語を巧く解釈できなかっただろうと推測される。

あの物語は、子供の私が読めばおそらく哀しい物語と思うだろう。しかし、今の私の解釈では優しい物語となっている。

他にも色々な絵本があるが、子供よりも解釈力が洗練された大人が読む方が良いと感じる。おそらく、「きれいごと」だといわれ「現実ではそううまくいかない」「大人の世界は複雑だ」とでも評されるだろう。

しかし、複雑なのは文字とシステムだけであり根幹の思想は大人子供関係ない。

 

大人になって忘れかけていた考え方、思想を再認識する機会を絵本は与えてくれる。

それこそ日本の政治家、いや世界中の政治家に絵本を読んで欲しい。

彼等にまだ正常、健全な解釈能力があるなら、そしてそれが全世界的に波及すれば、私達が抱えている哀しみの連鎖を一部でも食い止めらえるだろうに。