Garden of Lapis Lazuli

刹那的生命の備忘録

理学と工学の研究指導スタイル 2

最大公約数的指導により、工学系博士後期課程進学予定者(Dr.を取得する予定の人)へのケアは研究者としてのトレーニングの質を理学系の博士前期課程進学予定者への指導と比べて著しく下げ、個々人の能力向上は二の次になる.

 

これはアカデミアの世界で生き残ってきたいと考えてる人間へは致命傷で、もし仮に進んだとしてもその先で挫折や絶望などしてアカデミアの世界から去っていく.

 

理学系は自分の力で好きなことを研究する為の基礎作りから修士をスタートするし、その先へはそこで適性を自覚できた、客観的に見て持っている人間が進むという狭き門になっていた.

しかし工学系は、正直に言って博士課程への進学自体は誰でもある程度適性が出るようになっている(本当は持っていないかもしれないのに).そしていつでも就職出来るようにある程度保証を提供している.

 

だから質が良い研究者が育たないが、就職は良くなる.

そうして就職が良いなら…という理由からの進学者は増加し、質が下がり続ける.

このループに入っている状態では、近い将来海外に全分野が追い抜かれてしまうだろう(時既に遅しの分野もあるが).

 

研究したい人材はこれにより海外へ進むことが多い.

この負の循環を断つ為の方法を、私達は考え、そして変えていかなければならない.

その責任と覚悟を持って、アカデミアの世界に進むべきだと、はやくは修士課程に進むべきだと常々感じている.